Skip to main content

「自然エネルギー100%プラットフォーム」は、自然エネルギー100%の実現を提唱する世界的なイニシアチブです。このプラットフォームは、多くの国や地域ですでに実践されているプロジェクトを基盤として、「新しい常識」である100%自然エネルギーについての議論を喚起します。

日本国内での展開は、ドイツ・ボンを拠点とする「世界自然エネルギー100%プラットフォーム(Global 100% Renewable Energy Platform)」との連携のもと、CAN-Japanが運営を担っています。

なぜ自然エネルギー100%をめざす必要があるのでしょうか?

私たちの社会は、これまで化石燃料や原子力をベースとする従来型のエネルギーシステムのもとで発展してきました。この従来型のエネルギーシステムは、化石燃料の枯渇、気候変動、大気汚染、核拡散リスク、地政学的な安全保障リスクなど、さまざまな問題とリスクを孕んでおり、持続不可能であることは明らかです。

一方、風力・太陽光・水力・地熱・バイオマスといった自然エネルギーには、私たちの現在のエネルギー消費量よりもはるかに大きな資源ポテンシャルがあり、これらを再生可能な範囲で利用することで、持続可能な社会の基盤をつくることができます。また、自然エネルギーには、CO2排出、大気汚染、核拡散リスクはなく、分散型で利用することにより地域のエネルギー自立を高めることができます。

持続可能な社会を実現する上で、自然エネルギー100%への移行は必要不可欠なのです。

今日の投資が明日のエネルギーシステムをつくる

現在の大規模集中型のエネルギーシステムが30〜40年前の投資意思決定のもとで構築されたように、未来のエネルギーシステムは今日の投資意思決定のもとに構築されます。つまり、現在の私たちの意思決定が2050年といった未来のエネルギーのあり方を決めることになります。

近い将来、自然エネルギー100%を達成するため、今日の新しい投資は自然エネルギー100%をベースとしたものでなければならないのです。

パワー・トゥ・ザ・ピープル

これまでのエネルギーシステムは、大規模な垂直統合の中央集権的インフラであり、トップダウンのアプローチに特徴づけられてきました。そこでは、意思決定の権限と利益の分配は少数のステークホルダーに限定されてきました。

自然エネルギー100%に向けた変革では、エネルギーシステムのパラダイムが変わります。

自然エネルギー技術は本質的に小規模分散型であるため、水平型のネットワークのもと、個人や中小企業を含む新たなステークホルダーがエネルギーシステムに参入します。これまでと異なるステークホルダーが変革に直接関与するためには、透明で開かれたプロセスと新しい所有のかたちが必要となります。

このプラットフォームでは、自然エネルギー100%を実現するもっとも重要な方法として、参加と公平な分配によって特徴づけられる「コミュニティパワー[1]」のアプローチを推進します。

[1] 以下の3つの基準のうち、少なくとも2つを満たす自然エネルギープロジェクトは 「コミュニティパワー」として定義されます:(1)地域の利害関係者がプロジェクトの大半もしくはすべてを所有している、(2)プロジェクトの意思決定はコミュニティに基礎をおく組織によっておこなわれる、(3)社会的・経済的便益の多数もしくはすべては地域に分配される(出典:世界風力エネルギー協会 コミュニティパワー・ワーキング・グループ)

キャンペーンからプラットフォームへ

自然エネルギー100%プラットフォームは、2014年に設立された「世界自然エネルギー100%キャンペーン(Global 100% Renewable Energy Campaign, go100re.net)」を前身としています。

環境エネルギー政策研究所、世界未来協議会、世界風力エネルギー協会を中心として、世界のさまざまな自然エネルギー関係機関の協働によって設立されたこのキャンペーンは、2014年から3年にわたって世界各地の事例や研究成果を集約して情報発信し、自然エネルギー100%にかかわる対話の場を数多く立ち上げ、政策立案者への働きかけなどをおこない、その成果は2015年のパリ協定合意に貢献しました。

2017年5月、キャンペーンは、世界の自然エネルギー推進の流れをさらに加速するため、「世界自然エネルギー100%プラットフォーム(Global 100% Renewable Energy Platform)」として、ドイツ・ボンにて法人設立されました。(日本から環境エネルギー政策研究所が創設時理事として参加)

日本国内での活動は、世界自然エネルギー100%プラットフォームとの緊密な連携のもとに進めています。

国内での展開と運営体制について

日本国内での自然エネルギー100%プラットフォーム(Japan 100% Renewable Energy Platform)は、CAN-Japanが運営しています。(事務局:環境エネルギー政策研究所・気候ネットワーク)

CAN-Japanは、気候変動問題に取り組む、130カ国以上・1800の環境NGOからなる国際ネットワーク組織であるClimate Action Network(CAN)の日本拠点です。 CAN-Internationalと連携して国際的な活動を行うとともに、国内のNGOの連携のもと、国内の気候変動対策の強化や持続可能なエネルギー推進に取り組んでいます。

CAN-Japan 参加団体

このWebサイトは独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開設されました。