著作: 株式会社システム技術研究所
題名: 脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ
発行者: WWFジャパン
発行年月: 2020 年 12 月 、2021 年 9 月、2024年5月  改訂

概要:
2023年12月ドバイで開催されたCOP28では、世界全体での気候変動対策の進捗評価の仕組み「グローバル・ストックテイク」が実施され、1.5度目標を達成するためには、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示した2035年までに世界全体で温室効果ガス(GHG)排出量を60%削減(2019年比)する必要があることが確認されました。また、同時に2030年に向けて再生可能エネルギー設備容量を3倍に拡大すること、エネルギー効率改善率を2倍にすること、そしてエネルギーシステムにおいて化石燃料から転換する取り組みを加速していくことも合意されました。

しかしながら、現在の日本のエネルギー基本計画やGHG削減目標等を定めるNDCは、COP28で決定した世界目標の達成には残念ながら整合していません。現在、政府は、エネルギー基本計画の更新とNDCの改定に向けた議論を開始しましたが、日本は、先進国としての責任を果たし世界の脱炭素をリードするために、少なくとも2035年60%削減を超える、高いGHG削減目標と再生可能エネルギーの最大限の導入の方向性を掲げることが求められます。

これまでWWFジャパンでは、2050年にGHG排出ゼロを実現するための道筋を描いた「脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ」を発表してきました。今般、このシナリオをアップデートし、2030年までに再エネ3倍(太陽光2.9倍、風力10倍)が可能であり、その延長線上で2035年にGHG排出量を60%以上削減可能であることがわかりました。

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