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グローバル自然エネルギー100%プラットフォーム(Global100RE)は、ドイツのボンで開催された国連気候変動会議SB58に際し、自然エネルギー100%の社会を実現するよう求め、プレスリリースを発出しました。

▶原文はこちら

この日本語訳を以下に紹介させて頂きます。


100%自然エネルギー:気候危機への不可欠な対応                        

2023年6月15日、ボン(ドイツ)で開催されている国連気候変動会議SB58に際して、グローバル自然エネルギー100%プラットフォーム(Global100RE)とそのメンバーは、持続可能な開発を確保し、SDGsゴール7の達成を支援し、効果的な気候変動緩和をもたらす主要な手段として、100%自然エネルギーに焦点を当てるよう世界社会に呼びかけた。

グローバル自然エネルギー100%プラットフォーム(Global100RE)は、すべての国・地域政府と国際社会に対して、以下を認識するよう求める:

  1. 100%自然エネルギー供給は、気候危機に対する重要な答えであり、新しい常識でなければならない。
  2. 自然エネルギーは豊富にあり、現在の世界エネルギー供給の1万倍以上に相当する。
  3. 自然エネルギーによる世界は、基本的に土地、景観、自然環境などの地域資源を利用した分散型であるため、ボトムアップで構築されなければならない。地域的な解決策は、さまざまな自然エネルギー技術と蓄電やその他の柔軟性オプションとの組み合わせに基づくものでなければならない。
  4. 分散型の自然エネルギーが経済的に機能すること、そのコミュニティにとって有益であること、そして基本原則が普遍的に適用できることは、世界中のコミュニティがすでに証明している。
  5. 自然エネルギーによる世界は、気候危機に対する答えであるだけでなく、エネルギーへの普遍的なアクセスを提供し、民主主義の拡大、参加の拡大、汚染の減少など、多様な利益をもたらすことができる。そして自然エネルギーは、平和のためのエネルギーである。
  6. エネルギー・気候政策は、自然エネルギーによる世界の基礎となる必要な経済的、社会的、生態学的資源を動員できるように実施しなければならない。自然エネルギーの利用は、すべての人間の基本的権利であり、制限されてはならない。
  7. 政府と国際機関は、自然エネルギーによる世界における市民と地域社会の重要な役割を認識しなければならない。従って、都市と地方自治体は重要な実践者であり、触媒となる。
  8. 炭素の回収(利用)と隔離 (CCS/CCUS)や原子力発電のような技術は、不必要なリスクと非常に高いコストをもたらし、少数の投資家しか恩恵を受けられないため、世界での実施は避けるべきである。
  9. 公平な競争条件を作り出し、安価な化石エネルギーや原子力エネルギーという幻想を明確にするために、化石エネルギーや原子力エネルギー源に対するすべての補助金を段階的に廃止しなければならない。
  10. 世界のエネルギー供給は、できるだけ早く100%自然エネルギーに転換することが可能であり、そうしなければならない。

ジュリー・デュカス(Julie Ducasse)、CANインターナショナルのアナリスト
「エネルギーに関する持続可能な開発目標7に関する最新の報告書によると、2021年にはまだ6億7,500万人が電気を利用しておらず、サハラ以南のアフリカだけでも5億7,000万人近くが電気を利用していない。自然エネルギーは、この不公平なエネルギー・アクセスを克服する鍵です。自然エネルギーは、化石燃料に代わる唯一の実行可能でクリーンかつ安全な代替エネルギーであり、早急に規模を拡大する必要があります。

シュテファン・ゼンガー(Stefan Gsänger、WWEA(世界風力エネルギー協会)事務局長
「私たちは、今後10年間で自然エネルギーの完全供給を達成するために、自然エネルギーへの転換を早急に加速させなければなりません。市民や地域社会の力を高めることが、この目標を達成する鍵です」。

飯田哲也、ISEP(環境エネルギー政策研究所)所長
「100%自然エネルギーの世界を実現するための技術と資金はすでにあります。これを加速させるために今必要なのは、市民や地域社会の幅広い参加と所有を可能にする政策です。」

デビッド・レネ(David Renne)博士、ISES(国際太陽エネルギー学会)理事
「私たちは、クリーンで低コストの自然エネルギー技術によって、事実上すべての最終エネルギー需要を満たすことができることを知っています。私たちが経験している気候変動、そして将来の気候変動の悪化が予想される中、政府、経済界、市民社会は、公正かつ公平な方法で、自然エネルギー技術によってすべてのエネルギー需要を満たすという目標に取り組むために協力することで、この安価な移行をより迅速に実現しなければなりません。」

マリーケ・ファン・スターデン(Maryke van Staden)、ICLEIのカーボン・クライメート・センターのディレクター
「調理、冷暖房、電力、輸送を自然エネルギーでまかなうことで、エネルギーのない人々を助けましょう。100%自然エネルギーへの移行戦略を約束し、直ちに実行することで、世界を助けてください。これは実行可能で持続可能なアプローチであり、世界的な気候変動による緊急事態に対応するために不可欠です。今こそ、すべての国家政府、地方政府、市民社会、企業、産業界のリーダーシップが必要なのです。」