CAN-Japanは、自然エネルギー100%に向けた国内外の最新動向やこれまでの取り組みを共有し、今後の日本国内での自然エネルギー100%の実現への方策を議論するため、下記の通りイベントを開催しました。

開催概要

イベント

自然エネルギー100%の実現に向けて!

日時

2020年3月19日(木)14:00~16:30(Webセミナー)

プログラム

開会

平田仁子(気候ネットワーク)

第1部 講演「自然エネルギー100%の実現に向けて」

「自然エネルギー100%への最新動向と課題」
高村ゆかり(東京大学)/ 資料 / 関連資料・映像(札幌セミナー)
最初に「自然エネルギー100%への最新動向と課題」について東京大学の高村ゆかりさんからご講演いただきました。世界では2018年には発電量の約4分の1が自然エネルギーによるものになるなど、コストダウンの結果、自然エネルギーのシェアが拡大しています。
日本もFITの導入によって自然エネルギーの導入が進み、2017年度には自然エネルギーが電源構成の16%となり、水力を除く再エネは2011年度の3倍に増加しています。自然エネルギーの更なる普及のためには、企業の電力インフラへの投資を増やすことが必要で、そのためには国の長期的な見通しの明確化や規制の撤廃が必要です。
また企業の自然エネルギーの投資に対する社会的なニーズも、パリ協定を受けて投資家やサプライチェーン内の企業から自然エネルギーへの転換に関する情報開示を求められることで増大しています。そのため自然エネルギーを創出できる地域にとっては過疎化や耕作放棄地など地域の課題を、企業との連携を通じて解決するチャンスをもたらしています。
「2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する ゼロエミッション東京戦略の実現に向けて」
岡本尚美(東京都環境局)/ 資料
次に東京都の岡本尚美さんから「2050年にCO2排出実績ゼロに貢献するゼロエミッション東京の実現に向けて」と題して、2019年12月に策定されたゼロエミッション東京戦略についてご講演いただきました。
東京都は2019年5月に「世界の大都市の責務として『1.5℃』を追求し、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現すること」を宣言しています。ゼロエミッション東京戦略はその実現に向けたビジョンと具体的取り組み、ロードマップをまとめたものです。
その施策1として再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を掲げ、ゼロエミッション事業所(ZEB)、ゼロエミッション住宅(ZEH)、都施設の使用電力の再エネ100%化を推進しています。
「自然エネルギー100%大学への取組み」
原科幸彦(千葉商科大学)/ 資料
第1部の最後の講演では千葉商科大学(CUC)の原科幸彦学長から、「自然エネルギー100%大学への取り組み」と題してお話いただきました。
CUCは、地域分散型エネルギー社会形成の拠点となる自然エネルギー100%大学を目指しています。2017年11月に、自然エネルギー100%プラットフォームの宣言団体となり、2019年2月には大学が所有するメガソーラー野田発電所の増強とキャンパス内の自販機の集約化・省エネ化などの取り組みによって自然エネルギー100%を達成しました。
これらの取り組みにおいてCUCは人が動くための気持ちや知恵であるハートウェアを重視しており、学生と共に節電アクションとしての打ち水、ダイニングのグリーン・カーテン作り、ソーラシェアリングによるワイン作りなどにも取り組んでいます。そして今CUCは活動の輪を国内外に広げようとしています。

第2部 トークセッション「自然エネルギー100%実現の方策を探る」

第2部のトークセッション「自然エネルギー100%実現の方策を探る」では再生可能エネルギー普及に関する4つのイニシアティブの事務局から、今までの活動とこれからの展望について発表がありました。

自然エネルギー100%プラットフォーム
古屋将太(自然エネルギー100%プラットフォーム事務局/ISEP)/ 資料
自然エネルギー100%プラットフォーム事務局/ISEPの古屋将太さんからは、その活動について、3年前の立ち上げ以降、イベントの開催、Webサイトを通じた情報発信、ビルディングブロックという自然エネルギー100%を目指すためのツールキットの日本語版の作成を通じて、宣言団体が16件、賛同団体106件となり、企業だけではなく環境NGOや農業者など多様な団体の賛同が得られているとのお話がありました。
RE100
柴岡隆行(RE100/JCLP事務局)/ 資料
RE100/JCLP事務局の柴岡隆行さんからは、RE100は世界の時価総額Top20の内11社が参加する取り組みで、日本の企業も32社が参加していること、そして事務局のJCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)が REAction の協議会に入っていることから、両者の需要家を結集し、市場・政策へのシグナルを発することでは自然エネルギーの拡大を図る好循環が形成できつつあるとのお話がありました。
再エネ100宣言 RE Action
金子貴代(再エネ100宣言 RE Action協議会/グリーン購入ネットワーク)/ 資料
再エネ100宣言 RE Action協議会/グリーン購入ネットワークの金子貴代さんからは、RE Action は RE100 の参加要件を満たせない企業の要望に応える形で発足したこと、そして主な対象となる中小企業は現在大企業に比べて高い電気を購入しており、その結果自然エネルギーとの価格差が小さいことから転換しやすいとのお話がありました。
パワーシフト・キャンペーン
吉田明子(パワーシフト・キャンペーン事務局/FoE Japan)/ 資料
パワーシフト・キャンペーン事務局/FoE Japanの吉田明子さんからは、パワーシフト・キャンペーンは大手電力による独占を変えたいとの趣旨で始まり、自然エネルギー供給を目指す電力会社を紹介していること、自然エネルギーを選ぶ際にはグリーンウォッシュとならないものを選ぶ必要があること、そして自然エネルギーは人々の新たなつながりを生んでいるとのお話がありました。

最後に各事務局から今後の展望を語る中では、自然エネルギーを拡大するために、自然エネルギーに関する人々や企業の固定観念を変えること、そのための事例や経験を共有すること、自然エネルギーを導入している企業の声を結集して市場や政策に対するシグナルを出すこと、そしてエネルギーだけで考えず地域のステークホルダーをつないていくことの重要性が示されました。

閉会

主催

Climate Action Network Japan(CAN-Japan)

CANは、世界で気候変動問題の解決のために活動する120ヶ国・1100団体からなるNGOのネットワークです。CAN-Japanは、CANの日本での集まりで、15団体からなり、国連気候変動交渉に参加し、国際的NGOネットワークと連携しながら政策提言や情報発信に取り組んでいます。

お問合わせ

Climate Action Network Japan (CAN-Japan)事務局
認定NPO法人 気候ネットワーク 京都事務所内
TEL:075-254-1011 FAX:075-254-1012
E-mail: secretariat@can-japan.org
Website: http://www.can-japan.org

このイベントは、独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催します。